ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

美術館を手玉にとった男

 

美術館を手玉にとった男(字幕版)

美術館を手玉にとった男(字幕版)

  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: Prime Video
 

うーんこれは……なんともコメントに困る……

いや、贋作って普通そのものが何かの動機をもって制作されるというか、強烈な意図が籠められているようなイメージが、ある。名画の模倣に心血を注ぐって、やはりそこには歪んだ強烈な欲望がないと成し遂げられないのではないか、みたいな印象。そしてそれを用いて設けようとする、これまた人間の欲望に長けた画商、みたいな図式。

を、この贋作作家は軽々と飛び越えて、自分たちのもっている物語の言語がぜーんぶ無効化されちゃうような感覚が、ある。彼には自己顕示欲すらない。オリジナルの画家に対するリスペクトだって、全然感じているようには思えない。だってふつーテレビで映画を垂れ流しながら芸術的営為に臨めるはずないとか思っちゃうよねー。

でもって贋作作家が精神疾患を負っていて独り暮らしで決して裕福というわけじゃなくて、という境遇もまあコメントをしづらくしている。多分この人にとって悪意は全くないし、贋作をつくることでしか社会との関わりを持つ術がないんじゃないだろーか、みたいな感じ。かといって贋作を贋作として展示する展覧会に、なにか積極的な意味を見出している感じでもないんだよなー。

いやー、全然言語化できない。教訓あるお話に落とし込めない。そんな感じ。