ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

世紀の贋作画商: 「銀座の怪人」と三越事件、松本清張、そしてFBI

 

文庫 世紀の贋作画商: 「銀座の怪人」と三越事件、松本清張、そしてFBI (草思社文庫)

文庫 世紀の贋作画商: 「銀座の怪人」と三越事件、松本清張、そしてFBI (草思社文庫)

  • 作者:七尾 和晃
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2014/02/04
  • メディア: 文庫
 

うーんこれは合わない。全然合わない。なんだろう、語り口の問題なのかしら。これだけ強く「私」を押し出してその視点で社会を切り出すスタイルが、しかしこの題材に合っているかというとあんまりそういう感じがしない。分厚い内容にもかかわらず出来事が散漫で、もうちょっとこう内容を整理してくれよと思う。次々出てくる魅力的な登場人物よりも、それを観察する「私」の方が前にデデデンッと出てきてしまっている感じで、いやまあそういう作品のルポもたくさんあるのはわかるんだけれども、そういう作品ってもう少し強く取材対象と私の関係を明確に意味づけしてあるように思うんだよなー。

この作品はそういう意味づけをしてないとは思わないんだけど、でもあんまりそこに興味が持てない。そもそもバブルの日本を象徴する事件、みたいなお題目をデカデカと掲げているけれども、そこら辺がピンとこないんだろうなー。バブルの時代に社会を見ていたら感じ方が違ったのかしら……

あるいは、イライの人物像に全くピンときていないのが原因なのかもしれない。魅力的な「キャラクター」として描くには格好の題材だと思うんだけど、全くどういう人物か印象に残ってないんだよなあ……自分の読み方が散漫だったのかしら……?