ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

We Love Television?

 

We Love Television?【ブルーレイ版】 [Blu-ray]

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いやー、これドキュメンタリー映画としてはだいぶ詐欺だよなーと思う。もう完璧に萩本欽一で保っている作品になってしまっていて、この挑発的なタイトルやら土屋Pの名前をガンガン出すやりかたやらは本当に誠実には思えない。ましてドキュメンタリーの取材中に震災がやってくる状況で、作家としてはもう最高にテーマとなり得る奇跡が起こっているはずなのに、「子役を配置しました」くらいでヌルッと先に進んじゃうのはもう本当にわけわかんねーなあ。「おかあちゃん」というテーマが震災後のコメディを正当化するに足る題材だったってこと? オレには全くそうは思えないけど。

あるいはこれは自撮りを行ってドキュメンタリー風にエンターテインメントを作ってきた土屋Pと映画という表現方法との圧倒的な食い合わせの悪さなのかもしれない。高須光聖もテレビではなるほどなあって感じだけど映画は本当に映画にならないしなあ……

まあとにかくドキュメンタリー映画として本当にダメ。全体に一本の筋を通すのがカウントダウン、というのもまあいかにもテレビっぽくて笑ってしまう。ドローンだけじゃごまかせないでしょうあれ。あと何はなくてもエンディングの白々しさは本当にクソだなーと思った。てきとーになんか良さげなワードを並べたポエムで音楽どーんされてもねえ、失笑しかない。悪い意味でテレビって感じ。

しかし逆に萩本欽一はテレビのコメディアンなのだなーという魅力は炸裂していて、序盤のネタ出しは「えー?」って感じが満載だったけど、いざ稽古に入って無茶ぶりをガンガン出して行くのはガチ感があってなるほどなあと見入ってしまいました。そしてそれにきっちり答える河本準一のポテンシャルの高さは、まあ当たり前だけど感心させられるよね。ケチャップのアオリのカメラが一番印象に残ったもんこのドキュメンタリー。