『素晴らしき映画音楽たち』と混じってたけど、こっちは音楽に止まらず、バッチリ音響全般の話なのね。いやー楽しかった。音楽パートになってここぞとばかりにハンス・ジマーが出てきたときには思わず笑ってしまったけど。
まあそもそもこういう歴史を辿るドキュメンタリーって面白いよねえ。エジソンから始められると、音楽と映像を同期させるのが難しいこととか、めちゃくちゃ納得感がある。『ジャズシンガー』ってやっぱり大きな転換点だったのねー。
ステレオってレコードが先行してたとか、ちょっと今から考えると想像の外だったなあ。ビートルズがステレオで実験的な作品を創っていたことが、映画にも影響してくるなんて、全然想像していなかった。モノラルからステレオへの変化って、めちゃくちゃ影響が大きかったんだなあ。
テレビの出現で映画がどうやってそれに対峙したか、というのも描いてあって、そこら辺も大変興味深い。粗製濫造のプログラム・ピクチャーがテレビに地位を奪われたところで、ヌーベルバーグを迂回してアメリカン・ニューシネマやらスター・ウォーズが現れ、作家主義で映画館ならではの体験を与える方向に舵切りしたのね。5.1chが『地獄の黙示録』から導入されたとか、大変わかりやすいよなあ。
あとデジタルへの移行。まあ今だと当たり前だけど、逆に言うとそれまでの音楽編集、スプライシングでやってたの!? 5.1chとかも!? と驚いてしまう。
それにしても、人形弄って笑うジョン・ラセター見ると、「うげー」って気持ちになっちゃうよなー。まあしょうがないんだけどさぁ……