ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

セービング・バンクシー

www.netflix.com

あー、作品内で「オークションで作品が壊される噂が流れてる」とかいう言及があるけれど、アレが例の風船持った女の子のアレか! すげータイミングでバンクシーのドキュメンタリー撮ってもんだなあ。

日本でバンクシーの名前が遅れてやってきたことがわかる内容だけれども、いやーめちゃくちゃ面白いなあ。ホント「あのヘイト本YONDA?」が法律に違反しているとか程度の低い言い合いしてる場合じゃない。

バンクシーの本を読むと大抵グラフィティとアートの対立みたいなことが言及されてて、正直な所いまいちピンとこないなーって思ってたんだけど、この作品を見て納得。まあ言われてみれば、法律を犯してすぐに消されること前提の落書きをすることと、作品で金銭をやり取りすることの間には、もうめちゃくちゃデカい溝があるわよねー。

っていうかバンクシーって自分の作品に署名しないのかー。グラフィティって基本自分の名前を描くところから始まったものだから、当然自分の作品だと証明するものだと思ってたけど、そこは法律ときちんと距離をとるのね。クレバーさに驚き。サンフランシスコでの用意周到な落書きの手口もいくつか紹介されていて、大変面白かったです。

しかし、アートを切り取って美術館に飾ることが、作品の質を大きく変えてしまうってのは、改めていわれるとなるほど納得だよなー。街の中で塗り潰されるのがグラフィティ本来のあり方というのもわかるけど、100年後に振り返るために注釈付きでホルマリンに漬けておくのが有意義、というのも確かにその通り。現代のアートには文脈が大事なんだなーと思わされました。