あーうん作者はやっぱりブリストル住んでたのね。バンクシーを題材にしてこういう細かいところ拾うんだから土地勘あるよなーと思ったらやっぱりか。こういう時代にブリストル住んでたらそりゃグラフィティ題材に作品つくりたくなるよね。日本のオタク系エンタメでは初めて見たかもしれない。その意気やよし。
まあ細部から察するにアートから意図的に距離をとってんだろーなーという感じはするが、しかしそこがめっちゃ食い足りないというか、バンクシーをテーマにしてこの公共性の捉え方はちょっとさすがにないよなーと思う。官憲との対立とか公共性を巡る問題を、個人の嫉妬や恋愛の話にまとめちゃうのは、あーいかにも日本のオタク文法ってかんじがするものの、だったら最初からバンクシーなんてリアルな名前を出すなよなーと思う。美術館でバンクシーと並ぶアートをあそこに描けなんてクライマックス、さすがにバンクシーの思想的バックグラウンドを軽視しすぎに見えますわ。
まーそこらへんにも絡むんだけれども、キャラものとして面白いかとか、ストーリー展開が巧みかとか、そういう観点から見てもあんまりよろしいデキとは思えないのがちょっと辛いかなあ。グラフィティの細部なんかはちょこちょこ良さそうだったので、それを生かすためにももう少しエンタメ力が高まると良いと思いました。