ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

エイリアン4

 

エイリアン4 (字幕版)

エイリアン4 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

そういえば感想を書くのが遅れてしまった。

冒頭でクローン技術で復活! というところから、もうなんというか色々大変。まー3であんなことになってしまったからしゃーないといえばしゃーなく、面倒くさいことはいわずにジャン=ピエール・ジュネが監督でグロさが格段アップしたエイリアンを楽しみましょーという感じ。エイリアンも窓越しで液体窒素をかけられて飼育・観察されるもんで、そこまで行ったら最早存在ではなくその振る舞いで恐怖を見せなきゃいけないよねー。CGでアクションするのはだから理にかなっていることなのか。確かにあの体つきで水中を泳がれるとまあコワイはコワイ。でも2みたいに「どこから襲ってくるのかわからない」ではなく、「追いつかれるところが見える」演出になるのだよなー。

でもまあ、一番怖いのはリプリーのクローン失敗とか、あるいは人間との合いの子で、まあ人間が人間でなくなってしまうのは怖いよって話ではあるよね。エイリアンはキモいけど、明るい光のみれば別に「そういう生き物かー」ってだけで、むしろ「我々が我々でなくなってしまう」ことを暗示する姿の方が恐怖を煽るのはわかる。

しかしフェミニズム的なテーマでいうとどうなのだろうなーという気持ちもある。色んなものがごちゃごちゃになって、結局物語としての構造が成立しなくなってしまうと、そこでお話もどーでも良くなってしまい、うーんやっぱり物語とステレオタイプの関係は難しいぜ……

グランド・ブダペスト・ホテル

 

グランド・ブダペスト・ホテル (字幕版)

グランド・ブダペスト・ホテル (字幕版)

  • 発売日: 2014/09/10
  • メディア: Prime Video
 

ウェス・アンダーソンですねーウェス・アンダーソン。ザ・ウェス・アンダーソンって感じ。

まずもって入り口が大変良いよなあ。この作品、ホテルが主役なのかなーと思っていたが相ではなく、むしろそのホテルで歳を重ねたコンシェルジュが主役で、そこに歴史的な年輪が積み重なっているのを楽しむ作品だよなー。あのビミョーに汚い浴室で声をかけられるシーンの色気がほんと堪らん。湿気とカビの感じが、ホテルに積もった時間をしっかり伝えてくれている感じ。

ホテル・お屋敷・汽車・牢獄と、まあ垂直アングルが生える場所が多用されるのは当然ではあり、そこに個性派俳優がガンガン顔を並べて、うーんこれは折り詰め弁当だよなーって感じがすごくありますね。

内容的には第二次世界大戦を敷いてるとは思うんだけど、これだけやってユダヤ人っぽいあれやこれやを置かないで、トルコ人との交流に収めるんだなー。ハンガリーあたりのトルコ人の立ち位置がイマイチよくわかっておらんのだった。

脱走劇はどーしたって『穴』を思い出しますね。あんなに都市から隔絶された場所から脱出したと思ったのに、出口は四方を壁に囲まれた立地で思わず笑ってしまう。そこからの斜めアングルでの脱出はやっぱり面白く見えますねー。

あと途中の電話の連鎖パート卑怯。アレだけの人生を生きているとああいう奥の手もあるよなーとかホテルのネットワークがあるんだなーとかそういうのが一気に想起できてしまって、うーん真骨頂だなーと思いました。

トゥルーライズ

 

トゥルーライズ [DVD]

トゥルーライズ [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2012/10/12
  • メディア: DVD
 

わはははははは、こんなアクションコメディある? 実際似合わないエージェントを演じるシュワルツェネッガー感が、ジェームズ・キャメロンの大作感と合わさって、いやーとんでもない映画になってますね。なんだろーなこの底抜けなハッピー感。映画としては良くないとは思うけど、私嫌いになれません。

そもそもジェームズ・キャメロンが夫婦の恋愛を、CIAごときのスケールで描けるはずがないんですね! 鏡越しの尋問シーンなんて、アレ人間スケールで見たらかなり倫理的にヤバい展開じゃないですか。もっと突飛でSFで宇宙でコミュニケーションを断絶する存在こそが、キャメロンにはふさわしい! 差し挟まれるコメディーも、勘違いだのなんだのをちゃんと抑えているのはわかるんだけれども、なんかこうクセがあるんだよなー。やっぱカナダ人だからなのかなー(偏見)。

しかしなー、絶対こんなに時間かける内容の話じゃないよなー。もちろんアレだけ尺があるとテロリストの強さが立つのはわかるけど、でもあの馬に乗ってのチェイスシーンの贅肉モリモリ感は笑わざるをえない。ゆっくり上るエレベーターの尺の長いこと長いこと。いやー、今更こういう発見をしているのもナンダカナーとは思うけど、やっぱ面白いなージェームズ・キャメロン。

ジュマンジ

 

ジュマンジ (字幕版)

ジュマンジ (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

とりあえずこっちの方も見ておくかー今ならサブスクサービスで見られるしなーと思って再生を始めたのだけれども、やっぱりリメイク版とは全然面白いところが違って、逆になんで「ジュマンジ」のタイトルで作り直したのアレを? と思う。ロビン・ウィリアムズが吸い込まれていたジャングルの世界を舞台にした、というくらいの着眼点なのかしらねえ。そこ言われてみれば確かになるほど、って感じではある、の、かしら……?

冒頭からいきなり年月を重ねまくりつつ「ジュマンジ」というゲームがいかにヤバいかの説得力を積み重ねていて、うんうんこれこれこれが欲しかったのよ、と思う。由来のわからないボードゲームとか、勝手に動き出す駒とか、そういう細部に説得力があるからこそ、この不条理なゲームが巻き起こすパニックに説得力が生まれるんだよなあ。全てを異世界の出来事にしちゃって、サイコロを振るときの祈りみたいなのを掻き消したリメイクは、やっぱり根本から趣味が合わないぜ!

作品的には時間のズレを生かして色々工夫をしているとは思うんだけれども、肝心の筋が行き当たりばったりというか、ゲームを強要する立場のはずのボードゲームが何度も持ち去られゲームを拒否する、という構造がいまいちピンとこなくて散漫な感じはする。アレだけ「ドンドンドン」って音鳴らして自己主張しておきながら、その筋はないんじゃないかなあ……

ってか『ザスーラ』の監督ってジョン・ファヴローなんですね……あー、そりゃああの作品の印象が一番強く残るわけだわ。

歴史修正主義とサブカルチャー

 

歴史修正主義とサブカルチャー (青弓社ライブラリー)

歴史修正主義とサブカルチャー (青弓社ライブラリー)

  • 作者:倉橋 耕平
  • 出版社/メーカー: 青弓社
  • 発売日: 2018/02/27
  • メディア: 単行本
 

感想を書いていたつもりですっかり抜けていた。

最近のネット上でのフェミニズムに関するディベート的な言及のあーだこーだが余りにもクソだなーと思うんだけれども、そもそもオレはディベートというものを心の底から憎んでいる節があり、そしたらこの本に日本でどのようにディベートが捉えられてきたかが書かれている、という話だったので読み始めた。

でまあ、そういった観点から大変面白いのだけれども、個人的にこの本が面白かった点はそこだけではなくて、いやまあぶっちゃけオレの家族がいわゆるネトウヨ的論陣を張り始めてうーんメンドクセーって感じなんですよ。そもそも家族が何かを論証しようとか建設的に何かを考えようとかそういう態度でもなく、はてさてどう対処しようにもまず相手のことを良く知らんとどーしよーもないよなーと思っていたらこの本にドンピシャでそこら辺のことが触れてあって超納得。なんだこの本今のオレのために書かれた本なんですか?

どのような仕組みでこういった人々がうまれたのかというメディアとかシステムとかそういったところに着眼してる本ではありますが、ああいう言及の人々の根底にあるメンタリティみたいなのは掴めた感じがしてなるほどなーと思う。

あとは『ゴーマニズム宣言』のところで細かく分析されているけれども、やっぱり表現内でのフィクションとノンフィクションの関わりをもうちょっと細やかにやらないとダメだよねーと心底思う。「フィクションだから関係ありません」という態度は、表現の持つ巨大で危険な影響力を過小評価してしまうよ。もちろんフィクションが規制される圧力に晒されかねないし、その危険に過敏になるのはわかるけれども、しかしだからといって「フィクションが現実と無関係」と宣言してしまうのは、回り回って自分の首を絞めることになると思うんだよなあ……

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け


 JJおつかれ……本当におつかれ……

まあふつーに映画としては良くないよね。全然良くない。ラストとか「この人たちが戦うのが基本的にどーでもいいなー」「気持ちが乗らないと全然興味が持てないなー」なんて思いながら見ていた。

もちろんJJはよーやったなーと思う。8で後先考えずただ面白半分に破壊されたスターウォーズのストーリーに、まあちゃんとしたエンターテインメントのオチをつけるとしたら、こういう決着しかなかったよなーとは本気で思う。血縁はガンガン出すし死者はどんどん再登場する。ふつーに考えたら8が台無しになるようなことばっかりだけど、でもまあそういうひっくり返しをしなければお話として収まらないと言われれば全くその通りだし、これがスター・ウォーズの世界にとって懐古主義な後退かと言われれば、オレは「8がめちゃくちゃに壊したんだからいっぺん7に戻さなきゃダメなの当然じゃん」って感じ。レイア姫まで持って来てジェダイを再度殺したのには、私拍手喝采ですよマジで。

なのはわかるんだけど、まーそれはそれとして、ちゃんと面白い映画になっているかというとやっぱ面白くはねーよなー。そういうロールバックが必要なロジックばっかりが立って目の前で起こっていることに全然没入できない。っつーかそもそもアレだよね、この三部作って血縁とかではなく、ふつーに「女性の主人公」「黒人のサブ主人公」がメインを張るのに意味がある構造だったはずなのに、8で「血縁」みたいな今更クッソどうでも良いテーマを持って来たのが、本当にクソオブクソだよなー。9でもちゃんと「白人と女性と黒人」が抱き合うラストにはなってるけど、あれってほんとせめてもの抵抗というか……本当は荒波に女性が乗り出して、それを白人男性は馬鹿にするけど、黒人でフォースに目覚めかけたフィンだけがその正しさを知っている……みたいな構図をガンガン押していくべき話だったでしょどう考えても。ってかマジで8でのフィンの扱いだよ。なんなんだよあれ。

あの8で唯一「これは良かった」という演出をストーリーの一番真ん中に置いちゃうのはさすが。カイロ・レンくんの人間らしさを出す愛され演出もこの構成には抜群にマッチしていた。けど、そういうのもいいとこ探しになっちゃうよなーってデキ。

まーその、なんだ、JJ、まじでお疲れ……

魔法少女まどか☆マギカ

 

魔法少女まどか☆マギカ Blu-ray Disc BOX(完全生産限定版)

魔法少女まどか☆マギカ Blu-ray Disc BOX(完全生産限定版)

  • 出版社/メーカー: アニプレックス
  • 発売日: 2013/12/25
  • メディア: Blu-ray
 

機会があったので見返した。

特に前半、少女のポエムなモノローグがガンガン流れてそのワードが強い強い。少女のキレキレの内面がこんなにもガンガン前面に出て来る印象はなかったのでビックリした。結構無骨でテンポの良すぎるストーリー展開だとは思うんだけれども、それを強いモノローグと映像の詩情が繋いでいたんだなーと感心させられる。最近外伝がはじまったのも見たけれども、あれはモノローグも詩情のようにイメージを優先しちゃってて、ストーリーを紡ぐ強い内面描写じゃない感じで、だからだいぶモヤッとしちゃってる感じがしたんだよなー。

あと例の10話はまあ何度観ても強いよね。こういう展開なのがわかっていてもグッとくるというのは省略と演出が抜群に効いているんだろうなー。全編サビみたいなシーンが続いても、ちゃんと省略部分に視聴者がついてきてしかも感情が追いつくというのはすごいことですよ。ほむらちゃんの内面演出の積み重ねの結果なんだろうなー。

ラストの飛躍もまあ素晴らしいよねー。全編を通して魔女との戦闘ってかなり抽象的なんだけれど、最後の戦いでさえまあ抽象的に済ませてしまって、徹底的だなーと思う。でもって「希望と絶望」をキーワードに物語を魔法少女という存在で駆動させた、という構造も再確認。そりゃまあああいう叛逆の物語の構造に繋がっちゃいますよね-コレ。