ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

歴史修正主義とサブカルチャー

 

歴史修正主義とサブカルチャー (青弓社ライブラリー)

歴史修正主義とサブカルチャー (青弓社ライブラリー)

  • 作者:倉橋 耕平
  • 出版社/メーカー: 青弓社
  • 発売日: 2018/02/27
  • メディア: 単行本
 

感想を書いていたつもりですっかり抜けていた。

最近のネット上でのフェミニズムに関するディベート的な言及のあーだこーだが余りにもクソだなーと思うんだけれども、そもそもオレはディベートというものを心の底から憎んでいる節があり、そしたらこの本に日本でどのようにディベートが捉えられてきたかが書かれている、という話だったので読み始めた。

でまあ、そういった観点から大変面白いのだけれども、個人的にこの本が面白かった点はそこだけではなくて、いやまあぶっちゃけオレの家族がいわゆるネトウヨ的論陣を張り始めてうーんメンドクセーって感じなんですよ。そもそも家族が何かを論証しようとか建設的に何かを考えようとかそういう態度でもなく、はてさてどう対処しようにもまず相手のことを良く知らんとどーしよーもないよなーと思っていたらこの本にドンピシャでそこら辺のことが触れてあって超納得。なんだこの本今のオレのために書かれた本なんですか?

どのような仕組みでこういった人々がうまれたのかというメディアとかシステムとかそういったところに着眼してる本ではありますが、ああいう言及の人々の根底にあるメンタリティみたいなのは掴めた感じがしてなるほどなーと思う。

あとは『ゴーマニズム宣言』のところで細かく分析されているけれども、やっぱり表現内でのフィクションとノンフィクションの関わりをもうちょっと細やかにやらないとダメだよねーと心底思う。「フィクションだから関係ありません」という態度は、表現の持つ巨大で危険な影響力を過小評価してしまうよ。もちろんフィクションが規制される圧力に晒されかねないし、その危険に過敏になるのはわかるけれども、しかしだからといって「フィクションが現実と無関係」と宣言してしまうのは、回り回って自分の首を絞めることになると思うんだよなあ……