な、なんだこの変な映画? 変だよね? いや、変だよ。変。クリント・イーストウッドって、結構文芸寄りの作品も作るよねぇと感心させられるんだけれども、この映画はそういう単なるエンタメじゃないニュアンスが全体に漲ってて、しかもわりと長尺で、なんかこう、めちゃくちゃ変。
ってか、この内容だったら普通もっと「つまんねー」となってしまうところだと思うんだよなあ。一応法廷劇ではあるけれども、法廷での出来事も意味あるようで全然どうでもよくて、むしろゲイの人とのはっちゃけたやり取りとか、ブードゥー教の謎の儀式とか、そういうののほうが面白いわけで……黒人の社交界のくだりとか、まあ最高なんだけれども、それ以前にどういう文脈の土地なのかがわかんねーよ! 次々出てくるキャラクターたちの奇妙な魅力と、あとサバナって土地の不思議な空気感に、なんか引き込まれちまうんだよなあ。
そもそもサバナ、サバンナってどういう土地だよと思って調べたら、えー、「フォレスト・ガンプ」のOPのあのベンチがある場所なんだ。やっぱちょっと尋常じゃない空気感のある土地なんだなぁ。
あと、ジュード・ロウが短いながらもかなりインパクトのある芝居をしていて面白かった。でもケヴィン・スペイシーは、こういう役柄だとどうしてもスキャンダルを思い出してしまうよなぁ……