ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

血の伯爵夫人 エリザベート・バートリ

 

吸血鬼強化月間なので。この人の本はちょくちょく読んでいるけれども、なんかこうどこまで真に受けていいのかわからんところがあるよなあ。もちろん歴史小説ってのは現実に着想を得たフィクション、ってのは当然なんだろうけれども、この人の本はだいぶ歴史的事実に立脚してそうな描き方がしてある感じがある。この小説だけではあまり完結してない印象があるんだよな。変な感じ。巻末の資料を見ると、やっぱり読み物として脚色してあるんだろうなーとは思うけど。ってかそもそもこの時代の出来事を内面描写まで含めてキッチリ描くのって資料の問題で難しそうだよなあ。

作者が主人公の内面に何を見出したのか、というのはなかなか面白い。血を求めて残虐な行為を行った人物の動機をどこに求めるかってのを考えた時、そりゃサディストでなきゃならないのは当然だろうけれども、それプラスアルファで人間らしい肉付けがされている感じ。それが実際の彼女の内面をしっかり捉えたものかどうかは知らないけれども、少なくとも作者はそういう心の動きを投影したんだろうなーって感じがしてなかなか迫力があった。

この人に関しては、吸血鬼のある種のプロトタイプにもなったっぽいので、もう少し文献他を当たりたい。