ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス

 

謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス [DVD]

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  • ラインダー・ファルケンブルグ
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画家のドキュメンタリーってもう少しこう作家の内面に迫るようなアプローチをするのが普通だと思うんだけれども、こういう作品ベースの取り上げられ方がされてるって言うことは、そういう人格を想定するだけの資料がないってことなんだろうか。いや、しかしこの作品自体が、そういう「作品を通して作者の物語を想定する行為」を拒絶している感じもしなくはないよなあ。目の前の圧倒的な情報量の前にただただ困惑して、その向こうの人格まで全然たどり着こうという気が起こらないようなところが、ある。

西洋画の歴史を多少は囓ったりしたので、この当時の画がどのような用途で用いられて、どのような意図で創られたのか……みたいなのはなんとなく触れたことがあるけれども、それにしたってめちゃくちゃな作品だよなあ。途中で所有者のエピソードが多少触れられてもいたけれども、こんなん手に入ったらもうめちゃくちゃ長い時間眺めていられるというのは確かにわかる。っていうかこの映画の構成自体が、そういうしっちゃかめっちゃかな画面を端から端までひとつひとつ辿っていくような展開になっていて、作品の全体像をじっくり眺める画って本当に最後の最後なんだよね。そういう意図のある、絵画に合わせた構成なんだろうなあ。