ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

SAND LAND

 

鳥山明が亡くなったので、なにか一冊読んでおこうと思って……映画にもなって評判良かったしね。

鳥山明が書くマッドマックス! という感じなんだけれども、向こうが裏に神話だのフェミニズムだのが敷いてあるのに比べて、こっちは「戦争」が染みついているのがめちゃくちゃ印象深かったなあ。もちろん現実とは距離があって、そのままなんかの暗喩にはならないんだけれども、デフォルメの効いた「戦車」の向こう側に、抑圧された人間とその死があるんだよ、みたいなことがハッキリと描いてあって、あー、これはすごく強い意思を感じるなーと思ったよ。

それにしても、ベルゼブブって一体なんなんだろうな。キャラクターとしてはなるほどちゃんとツボを突いているし、好感がもてるんだけれども、ストーリーの流れの中できちんと役割を果たせているのか、正直よくわからんところがある。最後の怒ったぞ! からの逆転も、まあカタルシスを得る為の展開なのはわかるんだけれども、しかしそれ以上になんかこう意味を求めちゃうところだよねえ。全体的に保安官の人のドラマが強すぎて、もう少し悪魔の王子がわにドラマの軸があっても良かったのかなあ。いやしかし、そういうドラマがないからこそ、成立する話なのかもしれないなあ。