ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

「女装と男装」の文化史

 

いやー面白かった。というかこの本のおかげで「さらば、わが愛 / 覇王別姫」を見ることができたので、もうそれだけで万々歳って感じである。

過去の異性装の作品を取り上げながら、ジェンダーの問題を分析している本だけれども、 2009年に書かれたということもあって、今見ると時代がひとまわりしている感じがすごくする。今、異性装をテーマに作品を書いたら、このエンディングにはならないよね、見てる方もものすごく違和感覚えるよね、みたいな展開が大量にあって、この15年でエンターテインメントにおけるジェンダーの描かれ方は大きく変化したんじゃないかなあ。自分レベルの知識と感性しか持っていない人間でも、比較的最近観た「トッツィー」「ミセス・ダウト」には、そこそこの違和感を持っていたわけでね……っていうか、この本における性自認と性的指向の表記が、現在のシス/トランス・ヘテロ/ゲイとちょっとズレていて、読んでて少し混乱するところもあったしなあ……

とはいえ、そういった過去の名作にどういった視点の問題点があるのか、というのを、改めて指差し確認するのはめちゃくちゃ重要で、その指摘はどれもが大変納得感がある。正直自分が読んだり観たりした作品はそこまで多くなかったんだけれども、特に映画はこれから追っかけ観なきゃなあ、という気持ちになりました。