ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル

 

読んでる途中は「え?」「は?」「なんで?」と思ったけれども、中盤くらいの「じゃあ具体的にどういう仕組みになるの?」のあたりの記述はわからんでもないし、最後の宇野先生との対談でその違和感みたいなのが遠巻きに表明されてたし、また文庫版のあとがきでそこら辺の失敗も著者が認めているので、なんかこう色々言いたいことが引っ込んでいく読書体験ではあった。まー最初に極論をぶち上げるのはテクニックとしてわかるしなあ……

あとまあトランプ以後の世界でこの本を見るのはやはり隔世の感があるのはしょうがないよなあ、とは思う。この本では小さな政府とテクノロジーの市場原理が政治を支配するようになるだろう、みたいな話になっているけれども、じゃあそこで人権はどのようにして守られるの? というのは大変疑問だし、現在そこが世の中で大きな問題になっているようには思えるよなー。そこではプラットフォーマーによる検閲的な動きが問題になると思うし、そこに対して干渉できるのは市場ではなくて国家のほうが目がありそうだし、すると国家はそのあたりにきちんと影響力を与えられる存在でないといけないわけだしなあ。で、そこら辺の認識は、多分ニコニコなどの国内のプラットフォームでは結構弱い所だと思うので、ニコ生とかで活躍している人がこういうアングルで国家を語ろうとするのはある意味納得感があるのだった。

 

まーしかし、対談の宇野重規先生の安心感たるやハンパないな……この人の本をもっと読もう。