ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ロッキー5

 

ロッキー5 [Blu-ray]

ロッキー5 [Blu-ray]

  • シルベスター・スタローン
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うっすら覚えてはいたけれども今改めて見ると破綻してんなー。

前作までのモンタージュ祭りはなりを潜めて、わりと初期の人間ドラマに回帰しているんだけれども、それが成功しているとは思えないよね。前回までが主に恋愛関係の暗喩で物語が構築されていたのに対して、今回は父子の関係で物語が構築されている。まあそんなにわかりやすくキリストバックに戦わなくても良いとは思うけど。例えばトラウマの解消パートでミッキーを父としておいているのも象徴的。それまでは愛情の対象としてのパートナーだったのが、今回は克服する対象としての生涯としての描かれかたになっていて、なるほどそういう読み替えを行う作品なのね、という感じ。

なんだけれども、この物語の二重性としてロッキーは負けられないわけで、父が子を否定するような物語になっちゃってるんだよなあ。トミー・ガンは明らかに父親を追い求める迷える子であって、その他に肉親の子供がいると言えども、擬似家族の子を殴って「お前はうちの子じゃない」みたいな結末って、正直クソだなーとしか思えない。息子に自我がある人間のように描くなら、もう少し彼を成熟して分別のある責任の主体として描かなきゃダメだったんじゃないだろうか? 「ロッキーのロボット」とマスコミがたたくときに、「ちがう、お前は独立した人間だ」みたいな教えを行わないで、放置して殴って終わり、というのは良くないと思う。

それにしても、ここまでがんばって引退させてリングから遠ざけたのに、ファイナルでまたリングに上げたのか……みたいな気持ちはある。ファイナル自体は悪くない映画だと思うけど。