ガイ・リッチーの映画、って感じだよなあ。自己模倣感が半端ないというかなんというか。語り口を工夫して、確かにその構成で興味は引っ張られるんだけれども、まあしかしそれ自体が目的化してない？ という感じがどうしてもしてしまう。大量の人物と様々なエピソードを並べて、色んなところに引っかかりを作って、ちょっと小粋で驚くラスト！ 悪くはないんだが、しかしやっぱり、何にも残らない。何にも残らないことが悪いわけじゃないんだ。それはわかってる。わかってるんだが、うーん、それにしたってこう、見ているときは「うおーすげー！」「おもしれー！」となって欲しいんだよな。そういう感じの心の揺さぶられ方がしない感じでね。
キャラクターも、主役をはじめ後一歩！ というキャラが多かったけれども、コーチだけはなんか知らんけどめちゃくちゃ良かったな。キャラ立てはもちろんだし、手下の行動の意外性も良い。あの謎のPV軍団、ちゃんと実力があってかませじゃないのが非常に良いよね。彼らを統括しないことで面倒に巻き込まれてしまって、その統括されなさ故にあのオチになる……という皮肉っぽさは、嫌いじゃないです。
