ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

後悔の経済学 世界を変えた苦い友情

 

行動経済学のアレやコレや、人間は合理的な決断を下すわけではない……というのはオレも良く聞くというか、むしろそういう注釈ばっかり耳にしている感じで、だからこの本で取り上げられている話はそこまで驚きはなかった。いわれてみりゃあ、確かに価値観変えるのって難しかっただろうなあ、とは感じるが、今までマイケル・ルイスの本には散々驚かされてきたので、そういう知的な欲求の満たされ度合いはむしろ少なかった感じ。

むしろこの本で面白いのはメインふたりの人間の関係だよなー。イスラエル出身の、いかにも天才って感じの、でも全く対照的なふたりが、どうやって共同研究を行って、どうやって全く新しい理論を打ち立て、でもってどうやってその関係が破綻してしまったのか……ふたりの性格があまりにも魅力的だし、その背景にイスラエルという大変特殊な環境はあるし――で、そりゃまあ普通に見入っちゃいますよねえ。正直、今まで読んだマイケル・ルイスの本の中で、一番映像映えしそうな感じはするよね。イスラエルが大変なんで、そこら辺の解釈をうまいこと作る必要はあるかもしれないけど。