ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

最悪の予感 パンデミックとの戦い

 

やっぱりマイケル・ルイス最高だなあ。本当に面白いわ。

色々本を読んで、感染症についてはCDCが中心的な役割を果たす……という認識が染みついていたので、現実のパンデミックでCDCがどのように見られていたか、というのをこうやって描かれてカルチャーショックでありましたよ。非常時のために構築された巨大な組織が機能する、というのはやはり大変困難なことなんだなあ。

いや、遠くからボンヤリ見ていると「トランプみたいなとんでもない大統領がトップにいても、一応国の体制は成立するんだなあ」みたいなことを感じさせられたんですけど、この本を見ると連邦制だからなんとかギリギリ保ったって所なのかなあと思わされますね。現実にすげー数の死者が出ちゃってるわけだからなあ。そしてカルフォルニア州がある種のモデルとなって効果的な感染症対策を行いはじめた……というのもまた、アメリカの連邦制だからこそ有り得た問題の対処法だったのだろうなあ。

日本でも初期に安倍元首相の学級閉鎖があり、それに対しては「うーんコレは本当にいいのか?」みたいなことは思っていたわけだけれども、この本を見るとその判断も十分に有り得ることだったんだなあ、というのはよくわかりますね。惜しむらくは説明責任の欠如で、この本でも情報の公開が重要と何度も言われていますが、このような緊急事態を乗り切るには、人々が未来の可能性を自分のものとして受け取り、同意をとることが大変重要なんでしょうねえ。そういう意味では、日本のコロナ対策において、専門家と政治家の役割分担は、やっぱりかなり歪だったんだなあ。