ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

メリー・コルヴィンの瞳

 

『プライベート・ウォー』のエピソードが出てきて「あー、これはあのシーンね」みたいなのがたくさんあるわけだけれども、ちょっとタイトルがミスリードという感じもあるよねえ。これだとどうしてもメリー・コルヴィンという人物がどのような人生を送ってどういう世界観を持っていて……という人物を中心にしたドキュメンタリーのように思えるけれども、実際はどちらかと言うとシリアで命を失った際の出来事が中心になってる。オマケにドキュメンタリーとしてのクライマックスは、どちらかと言うとメリー・コルヴィンが死んでからの方で、いやまあそっちのエピソードも面白いからいいっちゃいいんだけど、やっぱりもっと人物の考え方を知りたくはあったかなー。

まーそれにしたって映画は人間の死でエンドマークが打てるからそれはそれで便利なものよね、と思えるドキュメンタリーだった。生き残った人間の脱出こそが一番の難所だった……という話を聞いて「そりゃそうだよなあ」と思う。

でもって異様に映画的な脱出のエピソードね。脱出経路が「穴」というのが比喩的だし、中腰で進まなければいけないというのも肉体の負担を想像させてよくできてるし、そして「穴が埋まっている」という状況で生まれてしまう閉塞感ね……そして人間、こういうものにすぐ出産のメタファーとかを見出してしまうよなあ、みたいなことは考えた。