いやとにかく頭の方の学校脱出までのエピソードが大変よろしい。主要人物の立ち位置をじっくり対比させながら、空間を生かしてわかりやすいエンタメドラマになっている。いやー、とても良い。素晴らしい。っていうかキャラクターの描き方がうめえ。まんががうまい。
一方学校脱出してからはちょっとエピソードがもたついている感は否めないよなー。結局元の場所に人類を救う鍵が、という展開は幸せの青い鳥方式でわかるっちゃーわかるんだけど、それまでの蓄積が完璧に無になってうーんどうなのかなあ、という感じはある。
ただまあゾンビものってある種出オチみたいなところはあって、中盤以降の展開をうまく描けている作品って結構少ないよねえ。かえって投げっぱなしの方がゾンビモノっぽい感じすらあり、そういう意味では中盤のみんな死んでどんどん絶望が高まって、という展開はまあなかなか来るものがあって良かったし、ハッピーエンドもまあこのキャラクターたちへのご褒美みたいなモノでそれはそれで……という感じ。
ゆきちゃんのゆるがない立ち位置が、ちょっと一緒に乗れなかったのは残念。学校とか知識に対する信頼は、全体のテーマとしてもう少し積み上げられても良かったのかなーとは思う。最後に学校の知識を生かしてサバイブする、みたいなのはあっても良かったんじゃないかしらねえ……
