ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

TAR/ター

 

TAR/ター ブルーレイ+DVD [Blu-ray]

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  • ケイト・ブランシェット
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ケイト・ウィンスレットを堪能する映画だなー。「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」と賞レースでかち合ったのか。なるほどなー。

作品の一番目につくところにある、ジェンダーのエピソードは、わかりやすいくらいわかりやすいというか……アジアに言って金魚鉢で嘔吐とか、やり過ぎでちょっと笑っちゃった。いや、後半に展開が早くなる構成だから意図したモノなんだろうけど、ラストの演奏のシーンといい、それまでの抑制的なトーンがぴょーんと跳ねるのにはちょっとビックリしてしまう。目論見通り、呆気にとられちゃったね。しかしまあ、異国としてのアジアが突然挟まれるの、全体として見りゃあ留保付きの内容ではあるのだろうけれども、あそこで急にオタクイベントが差し込まれるのも合わせて、ちょっと危うい描き方なのは間違いないよなあ。

ともあれ、クラシック音楽の世界は全く触れたことがないので、全体的に大変興味深かったです。人事とかあんなわかりやすくできて本当にやっていけるの? とは思ったけど、それもまあ戯画化させるための割り切りだろうしなあ。まあしかし、逆にアレだけの強権を振るっておきながら上手くやって行けているのはその才能故だろうし、その才能でさえあんな風に表舞台から消えてしまうのだ……というのを描かれると、なんかこー「大丈夫か?」と思っちゃうな。ちょっと見方を変えると、キャンセルカルチャー批判を、女性視点で抑制的に描いた、みたいな感じもするよね。決して才能に過剰に共感的にはなっていない気はするが……やっぱりゾワゾワする。