あー、これ、活弁入りで観ちゃって、それはそれで悪くはなかったんだけれども、完璧なサイレントで見た時とは全然体験が違うんだろうなー。そっちの方にばかり意識が引っ張られてしまって、あんまり良くない体験ではあった。
バスター・キートンの名前くらいは知っているけれども、そんなにちゃんと作品を観ていないので、だいぶ新鮮。序盤は普通に芝居をしてたけれども、中盤の花嫁候補大量発生からどんどんアクションパートが増えていって、もう画面に釘付けって感じ。やっぱり人間が全力で走るってのは、映像として生えちゃうもんなんだなあと思いました。
あとまあ、ストーリーが最低限の説明しかできない中、アクションで笑わせるってのはすげえ難しいことなんだなあ。比べて見るとチャップリンの手数の多さが本当に信じられないですね。まあ、チャップリンは観ているだけで疲れるし、このくらいの手数の方がむしろ自然ではあるよねえ。
あとまあ、これも比較対象がチャップリンくらいしか思い浮かばないからなんだけれども、ストーリーが単純明快に金の亡者の話で、そこら辺もなかなか面白い。新聞ってメディアを使った途端、金の亡者がうじゃうじゃ湧いてきて追いかけっこが始まるって展開は、その不条理さも伴ってなかなか不気味で良いですねえ。