嗅覚について学ぼうと色々当たっているのだけれども、この本は「進化」というキーワードがタイトルについているとおり、生物学を軸に匂いを語る本で、まずその切り口がなかなか面白い。他にも嗅覚の本は呼んだけれども、化学式をキッチリ掘っていかれてもよくわからんというか、そもそも細部を詰められてもどんな匂いかイメージできないのでなんともなあ……ということが結構あった。
けどこの本は、もうちょっと生物学寄りの視点で、DNAとか嗅覚のセンサーの話とかがメインで、そっちの方なら全然普通について行けて良かった。というか最後で、筆者がそこまで香りの専門家じゃないことを自ら暴露していて、なるほどだからこそこういうわかりやすい本になったのかー、という感じ。
他にも香道のことが結構しっかり触れてあったり、文化と香りの関わりにもそこそこ力が入ってて、まさにオレが今読みたかった入門書、って感じで大変良かったです。とはいえ、ここから先に進むには、やっぱりリアルにそれぞれの香りが想像できるようにならんといかんのだろうなーとは思う。