ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

パリの調香師 しあわせの香りを探して

 

文句なく面白いですねー。

最近香り関係の本を読んでいることもあって、調香師の姿がまずは勉強になるのはある。文字媒体で知識をいくら仕入れても、実際の振る舞いには想像が追いつかないところがあるので……香水を作るんだろうくらいの想像はつくのだけれども、洞窟の匂いの再現やらブランドバックの匂いの調整やらも行うとは思わなかった。なるほど確かに自分が意識している以上に、世界は匂いに囲まれているんだなー。

そしてまた、この作品がそういった「新しい世界に触れること」で「自分の生活を振り返る」話にもなっていて、それが大変良かった。男女の出会いが異文化の衝突であるのは映画の正統派のストーリーだと思うけれども、欠けたところのあるふたりがお互いにそれを補い合うことができるまでを、このような形で丁寧に描かれると、うーんちょっとこれは今のオレには大変効くなあ、と思いました。娘との絆との回復辺りで、きちんと他者と向き合うことのトレーニングをしているのも良いよなあ。

合間合間に含まれるユーモアもかなり良い感じで、いやー、大変好ましい作品でありました。