ＰＴＡのデビュー作ですか。
いやー、さすがにキレキレですね。ＯＰのやり取りからして息を呑むというか、マダ何も起きていないのに、グッと引き込まれてしまうのはさすがだよなあ。っていうか、役者が皆豪華すぎないです？ なんであのちょい役にフィリップ・シーモア・ホフマンまで出てくんの？ まあ、ＰＴＡの映画の常連と言えば常連なんだろうけれど……
いやまあ、脚本としてはそんなに大袈裟な話ではないんだよなあ。ひとつの大きな引っかかりがあって、最終的にそれが回収されるというミステリになっていて。でも、それは決して謎が解けたからどうこうというわけではなくて、その謎を巡る役者の芝居をたっぷり楽しんで、ラストカットで大きな溜息をつく、という感じの作り。正直自分はＰＴＡのことを良く理解できているとは思わないんだけれども、まーしかしいかにもこの監督だなあ、と思わされる内容ではありますよね。
しかし、監禁のくだりは謎だよなあ。あれ、一体何なんですかね。急にストーリーがポン！ と飛んで、あの視点で要領の掴めない出来事を追いかけていくのはわかるんだけど……しかし、結婚から売春から監禁という、あまりに突拍子もない展開が、省略されてしまっているのは……いや、だからこそ妙にリアリティもあるし、事件の後の収拾パートに集中できる、ということではあるのか？ いやー、しかしその部分を見たかった感じも、しちゃうよなあ。
