ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ヤングケアラー―介護を担う子ども・若者の現実

 

ちょっと前に買った本だけれどもやっと読めた。

こういうのを読むと人間の想像力の限界を感じるなあ。この本では先生のヤングケアラーに対する無理解が問題点として上げられているけれども、そんなの仕組みとして周知する状況がないと無理でしょ……と思う。この本辺りでだいぶヤングケアラーという言葉も広まった気がするし、現状ちゃんとそこら辺のフォローが入る体制に世の中変わっているのかしら? こども家庭庁もできたわけだし、うまく機能していると良いな……

この本は冷静に日本の現状やら海外での実際の動きやらを想像以上に厚めに記していて、当事者の語りのパートはそんなに量が多くないのだけれども、その配分の理由さえもきちんと本の中に記されていて、それが物凄くよかったです。もちろん当事者の語りというのはセンセーショナルに読む人の感情を揺さぶるけれども、彼らが語ることを強制されることによって何らかの悪影響が生まれてしまっては元も子もないんだよね。本を出すに当たって、悩みながらも何が一番大切なのかを常に念頭に置いておいた感じが全体の文章からも伝わってきて、おー信頼できる人だなあ、と思いました。