ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

トルコのもう一つの顔

 

な……なんだこの本は……お、面白すぎる……

まー例によってひろゆきとあーだこーだやっているのを見て思わずポチってしまっていたわけですが、いやーさっさと読むべきだった。チョー面白い。『五色の虹』で、中国政府の思想弾圧の話が仄めかされていて、いやーこんなん怖すぎだろ……全体主義国家はやべーなーと思ったけれども、似たような感覚をこの本で感じるとは思わなかったぜ。時代的に大分前の話であるとはいえ、トルコには親日国家みたいなイメージで緩い共感があったので、大変ビックリしてしまったよ。いやー、日本に住んでると本当に民族とかに対する認識が雑になるなあ。あいや、でもこの本の内容だと、トルコで教育を受けているエリートもそのように教え込まれているわけで、自分の住んでいる場所がどうこういう問題でもないのかしら……

貧乏旅行のルポルタージュを読んでいたら、学術的興味に引っ張られて、ズルズルとナショナリズムの問題に踏み込まざるを得なくなっていく流れが、その不気味な予感と合わせて凄まじい牽引力がある。そしてクライマックスは、国家の後ろ盾を得ての現地調査で、丁々発止のやり取りをしたあとに、「これが最後」と覚悟して各地を回るその姿は、いやー、ちょっと読んでて涙を禁じ得ないですねコレ。これだけ筋金入りの人間に、民族の差別みたいな問題で討論するなんて、いやーさすがに怖いものがなさ過ぎるって感じがしますわ。

そしてあのラストの切れ味たるや……いやー、ほんと素晴らしいルポを読ませていた抱きましたよ。