前作はエドガー・ライトが脚本だったのでまあまあ見られたけど、今作はマーベルの悪い脚本って感じだな……
科学的なハッタリとそのビジュアライズはまあ良いとして、ストーリー展開が全然しっくり来ない。なんか色々ガチャガチャやって追いかけっこやら奪い合いやらなんやらがあるけれども、母子の関係含めて全然気分が乗らないのは、やっぱり話の背骨にテーマみたいなのが見当たらないからなんだろうなあ。前作の内容はまあ大分忘れてしまっているけれども、エドガー・ライト脚本では、そこら辺のテーマがちゃんと通っていた、ような、記憶がある。
まあただ、表面上のガチャガチャはビジュアル的にそれなりに面白くて、そこら辺は掬われたかなあ。瞬間的に小さくなったり大きくなったりできるというのは、その理屈はともあれビジュアル的に面白いし、敵キャラもその特性からいちいち驚きのあるアクションがある。まあ、後半で舞台などを使って、もう少し質を転化したビジュアルがあると良いなーとは思ったけれど。大きくなってフェリーでどかどかやられても、別になにかおもしろいわけじゃないしねえ。そういう意味で、サンフランシスコって舞台もアリバイ作りで名所を出したようにしか見えなかったなあ。ビルを縮小しての奪い合いとか、そういう能力を活かしたワンダーがもっとあったらさらに良かったなあ、と思いました。