ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

砂漠の流れ者/ケーブルホーグのバラード

 

おっ! これは楽しめる方のペキンパーだ!

序盤からかなり信仰についてのストーリーをやっていて、今までペキンパーを観ていてそういうところに意識を置いてはみてなかったなーとは思う。道具立てからすると、西部劇で水を巡るストーリーで、しかしやがて時代に置いて行かれるだろう……というのはセルジオ・レオーネをどうしても思い出させられるんだけれども、なんだろうなあこの楽しい感じは……信仰を巡るストーリーだとどうしても苦しいストーリーになりがちだし、西部と娼婦という道具立てだとどうしてもその不平等な身分なんかに意識がフォーカスすると思うんだけれども、この映画はなんか全体的に明るい。復讐のシーンでさえ、ガラガラヘビが投げ出されて「わっ!」と穴から飛び出すみたいなオモシロ展開でしょ。そして一気に色んなことが起こって主人公も急に死んじゃうし、死んだかと思ったらスパーンとエンディングに行っちゃうし。謎のセックス狂神父とか、腹上死でサックリ金持ち未亡人になるヒロインとか、いやー、なんだろうなこの明るさは。ペキンパーってこんなんなの?

まあ、この映画の倫理というか、意識自体は確かにちょっと時代に取り残されていく側の感性なんだろうなー、とは思いつつも。いやしかし、決して悲観的にならないこの姿勢は突き抜けていて良いなあ、と思いましたよ、正直。