うーん、これはしょーもないドキュメンタリー……ダ・ヴィンチの作品という大看板がキャッチーで、センセーショナルな内容を期待させるけど、なんつーか、いつもの美術界の告発というかんじ。いやまあ、冷静に考えるとこのドキュメンタリーが主張していることじたいは、かなりセンセーショナルな内容なんだけれども、「あーうんはいはいそういうやつね……」と、いかにもありそうな話として飲み込んで、そこに正義感さえ働かない状況が終わってんなー、と思う。そういう終わってる美術界を再確認させられる。ま、そういう内容。
そりゃまあ、美術界で作品の価値が毀損されることを喜ぶ専門家なんていないっていうか、資本主義社会の中でガンガン経済回っていったほうがみんなハッピーになるわけで、どーせやり取りされている価値は信頼によって生み出される架空のものであるのだから、真贋なんてあやふやにしてマネーゲームを楽しみましょう、みたいなスタンスは、好き嫌いは別として成立するからなあ。ましてそこにルーブルを抱えるフランスみたいな大国までやってきて、アラブの貴族とパワーゲームまで関わっちゃうわけでしょ? なんかもう、こういうのに感情を動かされること自体がバカバカしくなっちゃいますよねえ。