ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

エッシャー 視覚の魔術師

 

一応エッシャーは美術展とかに行ったことがあるので、出てくる作品はだいぶ見ていた。序盤のイタリア旅行の辺りとか、うーんあんまり印象に残らんなーとは思ったんだけれども、そこら辺の蓄積がアルハンブラ宮殿との出会いを呼び込んだりするんだなー。

作品解説はとてもわかりやすく、あーはいはいこれねこうやって見るのね、みたいに代表作を網羅してあってとても良いと思いました。「天使と悪魔」とかは印象深くて覚えてるもんなー。あとトカゲが歩き出すのも「そういう作品あったな確か」と思った。

とはいえ、ドキュメンタリーとしてはあまりエッシャーの人となりが見えてこないので、そこら辺が食い足りないと言えば食い足りない。っていうか世の中にどうやってエッシャーが捕らえられたか、社会の中でどういうインパクトを持ったか、みたいな視点がほとんどなくて、唯一あったのが本人の認めていない「ヒッピームーブメントの海賊版」ってのがどーにもねえ……まあキマった状態であの絵画は良く効くんだろうけれどもそれにしたって不幸というかなんというか……いやでもタイムから取り上げられて世界中に名前が知られたらそれはそれでインパクトがあったんだろうけれども、美しさよりも驚異を求めるというのはどうとらえりゃいいのか。時代的にもリトグラフ浸かったあたりからもポップアートの文脈で見られそうなもんだけどさ。そこら辺のスタンスがよくわからんよなー。

エンディングは必見。作中でも「インセプション」の一場面だったかが引用される場面があるけれども、動画でも様々な形でメディアに登場してきたんだなーというのがよくわかる。