こ、これが交換殺人……! いやあ、ヒッチコックの目の付け所、やっぱりすごいなあ。
ニューヨークの遊園地、ということはやっぱりコニーアイランドなのかしら? この位の時代で遊園地がクライマックスというと『上海から来た女』とか思い出すけれども、この映画のクライマックスもなかなか派手でいいですねえ。さすがに巻き添えで操作係が死んじゃうのは笑ったけど、最後のあの山場を作るためには仕方ないよね……馬にゲシゲシ蹴られるショットとか、ギャグとシリアスの紙一重で、いかにもシャレてるシーンになってるなあと思いました。最終的にメリーゴーラウンドが壊れるところも、なかなか迫力があったしねえ。
ただまあ、サスペンスが完璧かといわれると、ちょっとご都合なところが多いよなあ、とも思ってしまう。まあ色々言い訳はしているが、しかし最初に警察へと駆け込めないのはやはり厳しい。あと妹さんのメガネがそっくり! というのもちょっとやり過ぎな感じはするよね。あそこに合理的な説明を期待してしまうのは、やはり「めまい」のインパクトが強かったからだろうなあ。
主人公が殺人を犯すのかどうか、というところにあまり共感できないところがあったのも、シナリオに乗り切れなかった原因なのかもしれないなあ。もう少し、人間として共感できるようなユーモアがあればよかった、みたいな感じなのだろうか? しかし、この立場だと難しいよなあ……