うーむあの『サイコ』の続編を作るなんてなんて蛮勇……リメイク版を観て思ったんだけど、やっぱりオリジナルの『サイコ』のストーリーってすげえ工夫があってビビるよね。ネコババの犯人に偶然殺人事件が起こる、と思わせて、実はその殺人事件の犯人にも一捻りしてあるという……で、そのめちゃくちゃこんがらがった事件を最高に鮮やかな手つきでサスペンスにするもんだから、そりゃあヒッチコックも原作本買い占めちゃいますよねーって感じ。
まあそんな超一流の手つきに比べりゃ、2の語り口が鈍くさいのはしゃーないといえばしゃーないでしょう。終盤でナイフが大活躍しすぎてギャッハッハと爆笑してしまうけど、ホラーってギャグと紙一重ってところはあるもんねー。
でもって問題はあのオチで、まー確かに色々辻褄は合わせてあるし、そのために「狂った人間ばっかりだ」ってまで言わせてたりするのは、まあなるほどなーとなーと納得しないこともない。問題は前作でアレだけ強かった母子の精神的な関係をスルッとスライドさせちゃうところよねえ。続編を作るには必要な仕掛けだっていうのはわかるけど、コスプレしてまでその思考回路を真似ようとしたベイツ君が、あんな簡単に別の母を認めちゃうって流れが、うーんどうも全然ピンとこなくてなー。