なんかTwitterで「この映画のここはこう事実と違います」というのが流れてきて、それでガッカリしている人も見られるわけだけれども、こりゃまあなかなか難しい問題だよなー。そりゃまあ確かに現実に立脚していた方がエキサイティングに感じるのかもしれないけれども、脚色なしの事実でそれが面白いのであればドキュメンタリーにすればいいわけだし……かといって、現実を現実のままにお出しされてイマイチ盛り上がりに欠けたら、それはそれで文句を言うわけでしょう? まあもちろん、ラストの「その後この人はどうなったか……」みたいなところで現実に接続している以上、作品全体が現実との接続を付与されることで面白味を感じさせる構造にはなっているとは思うんだけど。いやー、こういうのは難しいよねえ。
まあとにかく、「交渉」の映画としてはなかなか面白く、普通に楽しめるのは楽しめる。マット・デイモンが小太りの中年おじさんなのが、なかなか良い味出しているよねえ。ベン・アフレックも、まあ役得とばかりおいしいところを持っていって、なるほど成功する組織の上に立つ人間の振る舞いの一種の規範を示しているよねえ。いや、それもまたTwitterの情報からするとフィクションなワケだけど、もしそれが現実のものでも、同じ振る舞いが必ず成功するという性質のものじゃないしなあ。
母親の子を守る振る舞いも含めて、ひとつの物語として、どのように振る舞うことが成功を招くかという、ある種の規範を作り出すという営みなワケだよねー、映画って。