あっ、スコセッシって宗教的モチーフを入れて来るよなーと思ってたけど、こんなにストレートにキリストをテーマにした映画も撮っていたのね……全然気づかなかった。しかもキリストの人間的内面をモチーフにして、だもんなあ。そりゃまあ賛否が出て当然な内容でしょうね……
しかし、これやっぱりキリスト教圏にいる人間とはやっぱり理解度が違うんだろうなあ、とは思う。っていうかこの展開の不親切っぷりは、キリストの基本的なストーリーが頭の中にインプットされてるからこそ許されるヤツよねえ。オレはあんまりちゃんと記憶しているとは言えないので、なんとなく追いかける感じになっちゃうし、わかんないところも結構多いし、眠くなっちゃったりもしたのだった。っていうか、これだけたっぷり時間をかけてやるような話だったのか? と感じてしまうんだけれども、それは自分が細部をかなり見落としちゃってるってことなのかしらねえ。
映像的にも、そこまでハッとさせられるところがないというか、地味だよね。地味なところをじっくりねっとりウィレム・デフォーが熱演しているから、さらにこう取っつきづらくなってしまうというか……いや、やっぱりこれ、キリストの生涯について身近に考える機会があるとないとじゃ大違いの話なんだろうなあ、と思った。