ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

スパイダーマン:スパイダーバース

 

マルチバースは大体扱いが難しいものだけれども、この話は主人公はそのままで、「平行世界からやってきて、いずれ帰っていくことを運命づけられた」キャラクターを多数用意することで、その難しさを回避しているところがあるよな。よく考えてみればソシャゲのコラボっぽいよね。「どっちの世界が大事か」みたいな問題は決着なんてつけられっこないし、そこら辺は大変クレバー。

脚本もきちんとしていて、父との関係を通じた主人公の成長物語であるのはもちろんなんだけど、それと対になるように、別世界のオッサンスパイダーマンのドラマであるのも大変良いよね。最後の最後で、彼がもう一人の自分に出会うことで、自身を見つめ直すことができた、というのがサクッと挟まれるのも、うーん巧み! という感じ。

とはいえやっぱり一この作品で番面白いのは映像だよなー。スパイダーマンが子どもという属性を持つこと、手から糸を出してスイングする遊びの要素が、ニューヨークという町とバッチリ噛み合って、あーなるほどこのキャラクターが愛されるのにはきちんと理由があったんだなあ、というのがすごくよくわかる。グラフィティの要素なんかは、「なんで今までこのキャラクターで描かれてなかったの?」って思えるくらいバッチリハマっているよなあ。