ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

 

あー、これやっちまったのかー、という感じ。

いやまあマルチバースのスパイダーマンが大集合! というアイディアが大変魅力的なのはわかるし、俺がサム・ライミ版とかまるっきり忘れてるのはさておいて、実際ファンサービスとして大変楽しいんだけれども、しかし、しかしなあ……

平行世界的なものを扱うときに重要なのって、他の世界との優劣がつかないというか、それぞれの差異が差異なりに尊重できるものとして描くことだと思うんだけれども、今回の話って他の世界で出た結論が「失敗」みたいなストーリーになってしまってるのって、やっぱり良くないと思うんだよなー。こっちの世界に来たから、本来やるべきだった正しい結末を導けた……みたいな話になっちゃってるよねコレ。

さらに危ういと思うのが、「悪は治療可能」みたいなテーゼで、しかもそれが叔母さんの死によってこの世界のスパイダーマンの行動原理としてめちゃくちゃ強く刻印されてしまったのは、これホントにまずいんじゃないですかね? 今までのシリーズやアヴェンジャーズの話を振り返って見ても、それを突き詰めると勧善懲悪的な枠組みが機能せず、かなりストーリーが困難を抱えてしまうんじゃないかなあ。「エンタメに都合の悪い部分を無視する」こともまあ重要だと思うんだけれども、「以前と同じ倒し方をしてもしょうがない」という目先のハードルのために、スパイダーマンというヒーローに取り返しのつかない十字架が背負わされてしまったんじゃないの? みたいな気持ちになる。

その不安を払拭するような活躍をこれからしてもらえるといいんだけど……