ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

日本はなぜ敗れるのか 敗因21ヵ条

 

全然知らないけど、筆者は保守系のマスメディアで活躍した人なのか。いやー、なんか今だとこういうこと言うと「サヨク」みたいな感じで言われそうで、この本で書かれている不安がそのまんま現実になってんじゃねーの? って感じがハンパないですね。読んでてマジで暗澹とした気分になりましたよ。

書いてあることがどのくらい客観的に納得がいく内容なのか、正直時代が離れすぎているのでよくわからず、ソースもそこまで広くとっているわけではないので、ウィキペディアだったら「独自研究」とかつきそうな感じもある。あるんだが、しかし筆者が戦争中の空気をバリバリ吸ってこの境地にいたったことは当然間違いなく、そういう意味では個人的な感想だろうとなんだろうとすげー価値のある文章だった。いやあ、大変面白い。

全体的になるほどなーって内容が多かったのだけれども、一番面白かったのは「『芸』の絶対化と量」の章。日本人は技術を「芸」にして精度を高めるのは得意だが、しかしそれは普遍性を持たないので定量化できない、だから単純に数を増やすわけには行かないって話。いやー、めちゃくちゃ現代にも通じる話だよねえ。

それにしても、途中で過去の組織の問題を、執筆時の労働運動に当て嵌めて説明しているところが多くてちょっとビックリしたんだけど、それだけ当時の組合の力が強かったってこと? 筆者が保守系のメディアで活躍したという関係もあるのかしらねえ。そこら辺の空気はマジでよくわからん……