ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ギレルモ・デル・トロのピノッキオ

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ピノキオ自体が虚構性をはらんでいるというか、人間を真似た物体だけれども、たぶんこれ、その題材をストップモーションアニメという虚構性を強く感じさせる表現で表すからこそ、これほどまでに感情を揺るがすことができるんだろうなー。実写じゃこのストーリーってきっとうまく行かなかったでしょ。例えば冒頭の爆弾の落下で息子が死ぬシーンだって、実写じゃあのリアリティレベルでは語れないよねえ。あるいはラストのそれぞれの死が示されるカットも、彼らの身体の記号性が極端に強いからこそスルッと入ってくる表現になっているわけで……表現方法の属性を直接利用しているところに、うーんやっぱりギレルモ・デル・トロはすげーなーと思わされました。

しかし元々の「ピノキオ」って、遥か昔子供の頃に読んだ記憶しかないんだけれども、確かあれって別に第二次世界大戦が下敷きになってはいなかったよね。この話はムッソリーニを下敷きとした戦争の話をゴリッと入れ込んで、それがメインのストーリーラインの「死」というテーマと強力に結びついているわけだけれども、それだけで一本の話をやり切ってしまうというのは、やはり脚本の上手さだよなあ。

ディズニーのピノキオって見たことがないんだけれども、一回そっちもちゃんとふれておこっと……