いやー当たり前の展開だけどちゃんと撮られるとやっぱりしっくりくるなあ。いかにも泣かせる話をきちんと撮るのはえらい! 何度も繰り返された夢の再現で、主人公がホンネをガーって叫んでしまう当たりも合わせて、いやーきちんとした話だなあという感じ。序盤はここまで虚構ごちゃまぜにされると興味が持てるか不安だったけど、いやー杞憂でした。ちゃんとイイ映画ですね。きちんとしすぎてて鼻につくとこもなくはないけれども、そういう気持ちもねじ伏せられてしまう感じ。
なんといっても素晴らしいのは途中のお話パートで、いやほんと美しいしアートワークが素晴らしいし、もうなんならずっとあの感じで一本アニメとか創って欲しい感じ。うっとり。水彩っぽい表現でああいうことができるんだなあ。いかにもCGっていやらしさも全然感じないのがとてもいい。
あとは子役の顔のアップがとてもよろしい感じで、この時期の不安定な少年の顔をクローズアップでキレイに撮られるとなんかそれだけで胸が詰まってしまいますね。演出もなんだかんだちゃんとリアル寄りの撮り方で、ギレルモ・デル・トロとかだとたぶんもうちょっとつくった感じの絵作りになってしまうんだろうなあ、なんて思いながら観ました。人の死を扱うからにはこういうトーンがベターだよなあ。