ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

キーパー ある兵士の奇跡

 

なるほどなー……前半はまあわかりやすく対立の解消を描いているワケだけれども、後半に急にぶっこまれる子供の死が物語のポイントだよなー。戦争で人間同士が殺し合うことで生まれる罪を、人は償うことができるのかというテーマで、対外的な問題は交流によっていずれ解決することができるかもしれないけれども、内面の問題はそれでは解消できないんだよなあ。そういう「物語として消化できない戦争の悲劇」が、全く因果関係を持たない出来事によって「罰である」と誤認されたときに、それでも人は生きて行かなければならないという結論は、まあ確かに重い。何か想像していたところと全く違うところに話がいって、へええええと感心させられてしまったよ。前半、あまりチームメイトとの交流を中心に描かないところとか不思議だったんだけれども、なるほど納得って感じだなー。

戦後のイギリスの話だけれども、おーそうか当時は配給制だったんだよなーと思って、なかなか貧しそうな町の描写が良いですね。あと単純に、ドイツ人捕虜への風当たりとか、イギリス社会におけるユダヤ人コミュニティの立ち位置とか(サッカーチームへの支援を新聞に発表する!)、そういう風俗もなかなか新鮮で良かったです。