ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ジャンヌ・ダーク

 

ジャンヌ・ダーク(字幕版)

ジャンヌ・ダーク(字幕版)

  • イングリッド・バーグマン
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なんか……改めてこうやって人間が再演するとすごいな。いや、ミラ・ジョヴォヴィッチのヤツも見てはいるんだけどさー、こっちの方が形式的である分なのかそれとも自分が年取ったからなのか、「ジャンヌ・ダルクってやべー!」という気持ちになる。そもそも巫女っていう存在自体がそういうものだとは思うんだけれども、これって普通に考えれば精神的に障害を持った人間の幻聴が、「宗教」という名の下に正当化されて、それが国家に利用されて挙げ句ナショナルアイデンティティまでになっていく、という話だよなー。当時「国」みたいな概念ってどこまであったのかは良くわかんないんだけれども、今から振り返れば明らかにジャンヌ・ダルクはフランスの宗教史の根っこにガッツリ刻まれているわけで、そこにはイギリスというライバルに対する強烈な意識が埋め込まれている……と。そういうプロパガンダ感をめちゃくちゃ感じる内容ではあるよな。日本史にも一応歴史の根っこに「卑弥呼」みたいな巫女は存在するけれども、それがどのくらい今の自分たちの社会と連続性を持っているのか、みたいなのはあんまり良くわかんないからな。

でまあ何が言いたいかというと、そういう国家に対する帰属意識とか、あるいは宗教的なものに対する理解がないと、どーもこれ見ていてキツい……どう考えても精神に障害を負った女性を、男社会がよってたかって良いように利用しているようにしか見えない。この題材を映画化するっていったいどういうことなんだろう? と延々不思議に思ってしまったよ。