ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

キース・ヘリング~ストリート・アート・ボーイ~

 

あそこらへんのアートの流れで「キース・ヘリング」の知識だけが抜けてたんでちょうど良かった。

あの時代のニューヨークが生んだアーティストだし、あの時代を体現した存在になっているんだなーって感じ。アンディ・ウォーホルの後ろ盾を得たり、ドラッグをガンガンやりまくって毎週末遊んでたり、アートを人々の手に行き渡らせようとして商品化を行って商業主義を批判されたり、ゲイでエイズにかかってなくなったり……なんかあまりにも納得感のある物語が構築されてしまっていて、逆にこの人の人生がある種のアーティストの祖型になってるんだろうなあ、とさえ思う。

なんにしても印象的だったのは「多作」だったこと。とにかく出力し続けることが、彼のアートにとって根本を成していたのだなあというのがよくわかる。まあこういう生き方をしてりゃあ、故障してしまうかそれとも全力で走ったまま事故るか、どっちかだよなあ……

しかしまあ、これだけ人物を掘り下げているのに、ここまで「作品を創ること」しか印象に残らないアーティストもいないなあと思った。本来こういうドキュメンタリーって、もう少し精神分析的というか、作品と作者の内面の結びつきを強く見せていくもんじゃないかしら。作品についての言及で印象が残ったのは、エイズにかかった後のネガティブな精神世界が云々、くらいだなあ。