お……おもしろい……フランク・キャプラすげーなー。そりゃまあ有名なだけあるわ。「スミス都へ行く」とか、見たのだいぶ昔だけれども、そうかーこういう映画撮ってたタイミングなのかーってだいぶ納得感がある。
いやー、アメリカ側のある種のプロパガンダ映画で、世界をふたつに割るなんて露骨なアイディアだったり大変わかりやすい敵の顔の演出だったりと、まあ確かにやりすぎかなーって感じのところもなくはないけれども、まあしかし序盤でいきなりパールハーバーボカーン! から「なぜ私たちは戦わなければならないか?」って問いかけにいきなり各宗教の神の言葉が出てきてもうぶったまげましたよ。そしてそこからの合衆国憲法でしょ。いやー、国家の根本に神への信仰があるっていうのはまさにこういうことなんだなーって感心せざるを得ないでしょこれ。
と同時に、これはアメリカが孤立主義から転換した正当化も行っているわけだけれども、工業化が進んで世界が小さくなったから、自由主義社会を守るためには満州にもエチオピアにもきちんと干渉しなければならない、ってロジックがもーストレートに強い。その姿勢が今日の世界秩序の土台にまでなっているわけだよなー。いやー、パールハーバーの影響力ってそんなにも大きいのか……そうだよなあ……
あと面白いのはドイツやイタリアと日本の描き方が全く違っていたことかなー。天皇を利用して……みたいな描き方だったりそうじゃなかったり、日本をどのように悪として描くか苦労している感じがものすごくする。東条英機は出ないけど山本五十六は出るんだなーって感じ。
それにしてもナチスドイツの映像の説得力はマジぱねーな。前半で例の更新のシーンとか使われてるけど、あそこなんかストーリーの筋とか関係なくただすごい映像を見せるシーンになってるよね……