うーんいやわかるよ。わかるんだけれども、ちょっと結末が楽観的すぎるというか、自分のトラウマと向き合うことで性格が改善しちゃったらそりゃ苦労はしないでしょうけど…直裁判のラストでみんなが和解みたいな空気になってしまったのは、説得力よりも先に都合のいい願望を見てしまって、どっちらけという感じでありました。いや、自分はこの状況の社会にそもそも余り実感が湧かないので、実際にこの映画の状況が身にしみている人たちにとっては、そういった都合の良い願望が叶う展開が必要なのかもしれないけど……あと、裁判官の父子の関係とかも背景の描写が少なすぎて上手く掴めず、ああいうところにも色々現実の背景がありそうだよなーとは思った。
いやまあ、やっぱりあの子が死なないのがね、この映画の題材としてはビミョーなところだよね。子供が死んでもこの和解はありえたんですか? この社会の状況を描こうとするなら、子供が亡くなってもなお、その両者が和解できるかどうかを描かなければならなかったんじゃないですか? という感じ。あと片方から奪った仕事はどーすんのよ。ノルウェーでもいくのかね。
だからやっぱり結構都合のいい「希望」が描かれた映画であって、しかしその都合の良さは、物語が果たす役割として映画があえて受け持った者なのだろうなあと思いました。