ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ジャポニスム 流行としての「日本」

 

ジャポニスム  流行としての「日本」 (講談社現代新書)

ジャポニスム 流行としての「日本」 (講談社現代新書)

 

印象派の辺りの話が面白いのだけれどもちょくちょく挟まる日本の影響って具体的にどーなの? というのを知りたくて読んだ。

ジャポニズムってそもそもなんぞや? という疑問に対して、カイコクシテクダサーイな日本への興味やら貿易やらをたっぷり経てから絵画の話に進んだので大変読み応えがあった。そうだよなー万博みたいなわかりやすいイベントに紐付けて理解した方が全然いいよなー。

面白かった点は色々あったけど、個人的に印象深かったのは日本の絵画の特製の話かなあ。ドガの大胆な空間、といわれても「えーそれって別に特殊じゃなくない?」とか思ってたんだけど、よく考えると確かにヨーロッパの絵画でそういう表現って18世紀以前にはあんまり思い浮かばない、気が、する。ってか建築とか見たって日本は非対称で自然に調和した建物を作ってきたわけで、なるほどヨーロッパは人間の理性を重視してきたんだろうなあ、と改めて感じた。

「印象派は黒を使わない」という理屈がよくわかんなかったけどこれを読んで納得。と同時に、マネが印象派とちょっと距離をとっていたよ、という流れもずいぶん理解が進んだ気がしたのだった。

あと浮世絵が俯瞰視点ってのも面白かったなー。ヨーロッパの絵画のパースペクティブが人間視点メイン、というのは確かに納得。日本人は描写の対象を記号化して再構成していたんだろうなー。