ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

世界の終わりに問う賛歌

 

世界の終わりに問う賛歌 (ガガガ文庫)

世界の終わりに問う賛歌 (ガガガ文庫)

 

うーんこういうラノベが読めなくなったなあ。苦痛で仕方がない。

もちろんそれは自分の歴史への知識が多少は深まったからってのもあって、そこら辺を殊更に責め立てるのはアンフェアってのは自覚している。テロの定義とか弱小国家がどうやって技術立国になったとか戦争に対する考え方とかもうそこら辺は目を瞑りましょうと思う。飛行戦艦が戦術上どんなアドバンテージがあるのかとか切り札を先に明かす外交ってなんやねんとかそういうのは置いておこう。戦場の描写がないとか個人的にはあり得ないと思うけどまあそこもこの際いいや。

キャラ。せめてキャラはちゃんとしてくれ。とにかくこのヒロインのどこが聖女だ。スラム街に心を痛める優しい描写程度で聖女レベルに格が高まったら苦労ねーよ。ってか国家の状況を見て戦争に自ら手を貸すヒロインをなんの留保もなくポジティブに描いてしまってるのってひどすぎるだろ。それただ戦争に利用されてるだけじゃん。弱者を打ち倒す決断のできる人間を「優しい」というなら、それはそもそもエンタメにおける優しさの属性について考え方を間違ってるでしょう。

ってかさー、そもそも「精神的苦痛」でオッケーが見過ごされている国はマジであり得ない。そんなん拷問始まる前に苦痛ゲージ高まるに決まってんじゃん。ってか性的拷問もアリとか書いてたじゃん。そんな無能が集まった集団に国家の存亡を懸けるプロジェクト任せる国なんてとっくに滅びろよ。

まーしかしですね、そういう意味でいうと一番ヤバいのは拷問のプロのはずの主人公で、冒頭のエピソードからいきなり失敗してるのはあり得ないでしょう。被験者との距離感のとりかたも致命的で、ヒロインとの距離の取り方に注意を払わず人間性が揺らぐとかマジで素人にしか思えない。「精神的苦痛! これならイケる!」って発見が「やっぱダメでした」でクッソ雑にひっくり返ったと思ったら、挙げ句「自分も傷を負えば免責されるでしょう?」って今更されるわけねーだろ! なに都合で自分に罰を与えて贖罪っぽくしちゃってるんだよ! お前のしてきた拷問がそんなレベルで赦される分けねーし、そもそもプロなんだから覚悟がまず大前提としてあるべきだろ。

いやー、しんどかった。