なんやこれ! こないだ見たばっかりの『ストレンジ・デイズ』じゃないか!
というのはまあ半分冗談で、でも半分本気なのだった。デトロイトはロボ・コップでもあるわけで、あーアメリカにとってのある種の未来像であったのだ。そしてそんな未来を想起させていた過去が確かにあったのだなあ、という感じ。っていうか警察に対する不審と市民運動への共感を、そこそこの時代を隔ててまだ描いているのはあーうんやっぱりそういう監督なんだろうなー。
ジェームズ・キャメロンの脚本で描くにはちょっとエンタメ過ぎたんだろうなーとは思う。この作品のシンプルだけどめっちゃ吸引力のあるストーリーの仕組みで全然良いのだよなあ。仮にフィクションでも「うおーめっちゃおもしれー」って内容なのに、一応事実に基づいてる話なワケでしょ? いやー……
それぞれのキャラクターにそれぞれのドラマがあっていちいち唸るわけだけれども、一番「うわー」と思ったのは死体役の立ち位置だなあ。あれ状況を認識しつつもずっと死んだふりを続けるワケじゃないですか。あの立場の屈辱を考えたら、いやはや、一番しんどいかもしれないよねえ。
そしてラストの残尿感がほんとにいいねえ。あの黒人警備員が捕まる辺りから「うおーこれは……」って感じだったけど、最後の最後でフィクションを現実に繋げていたたまれなくさせるのはなるほどなあって感心させられますわ。