ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

運び屋

 

運び屋 ブルーレイ&DVDセット (2枚組) [Blu-ray]

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冒頭からもう背中の曲がったイーストウッドがヨボヨボ歩いてて「ズルい!」となる。ビシッとスーツを着こなしたかと思ったらお辞儀の背中が丸まってて、おー今回は老いと真っ向勝負だなーと思っていたらそれからいきなり12年経過して「えっ!?」となった。さすがにあそこは12年前に見えないよ!

と序盤で躓いたけど、映画はまあ本当にちゃんと映画って感じの良い作品で大変良かったです。特に良かったのはもう徹底して「車」の映画であったこと。あんなヨボヨボの爺さんなんだから、家族を取り戻すために嘘を嘘で塗り固めても、普通はそんな簡単に大金が手に入れられるワケないじゃないですか。それを車。体力がなくなってインターネットを憎んでメールが打てないじじいでも、車があれば一人前の男として大金が手に入れられるワケです。そんな運び屋としてバリバリのワルとも対等に渡り合えるわけです。そんな現役感を強調するかのようにしつこく登場する女、女、女。メキシコのプールでのローキーな尻カットの数々に、うおーこれはエロじじいの映画だぜ……って私呆気にとられましたよ。

でもまあ、そんなエロじじいの運び屋行為に因果応報が待ち受けていることは、イーストウッド自身も多分知っているワケですよねー。若さを強調するのは逆に老いを認識しているからで。嘘で塗り固めてなんとか手に入れた家族の絆は、彼が嘘を辞めて男を引退することでむしろ一層強固になって、いやーほんと理にかなったエンディングになってますよね。イーストウッドの映画はホント脚本がちゃんとしてるなー……