ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ビハインド・ザ・カーブ -地球平面説-

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最近動画を見てるとちょくちょくフラットアースがどうのこうのいうコメントが流れてくるもんで、あーなんかそういう電波系な人たちがいるのかなーとは漠然と思っていたけどさ……なるほどこういうバックグラウンドがあったのね。

反ワクチンだの反知性主義的な立場をとられると、「なにバカなこと言ってるの?」と相手の無知さにマウントとりがちな昨今でありますが、そういう態度に対する処方箋になってる映画でもありまして、まーその、これ学校とかでちゃんと見せた方がいいんじゃないかしら。作中でも無知な人ほど自信を持つという「ダニング・クルーガー効果」が科学の立場から取り上げられているけれども、だったら科学側に立つ人だって、自分と異なった立場の人間の思考回路を知ることは決して無駄ではないよね。

面白いエピソードがバンバン入ってる作品ではあるんだけど、なんと言ってもしかしなんといっても一番印象に残るのは、地球平面説のインフルエンサー的立場の女性が、有名になったが故にアンチに絡まれて「CIAの手先だ」とか誹謗中傷を飛ばされているのだけれども、その一方で「自分がCIAでないこと」を証明する手段がないと困惑を自白しているシーン。そこで彼女は「あなたが好きなように信じれば」とコミュニケーションを断絶させるしかとれる方法がなくて、でもそこがこの種の問題の決定的な回答だよね。自分の信念を疑うことは、他者と共通の認識を得るための最も重要な一歩なんだなーと気付かされる。でもってそれが、宗教と科学の立場の違いでもある、と。

それは地球平面説の有名な提唱者が、小さな分派を映画『ライフ・オブ・ブライアン』に自ら例えちゃってるところにも窺えるよなあ。ってか、あの風刺シーンを自分たちの姿に進んでなぞらえてしまうって、ずいぶん意志疎通の困難さを思い知らされる感じがする。